氣功家@ノビーが四国88ヶ所遍路約1400kmを自転車で周る旅を随時アップしてます。
途中、本氣で死ぬかとおもったこともあったし、何度もブチ切れたけど、
やっぱりやってよかった。そう、心からおもう・・・

第15日目:第44番札所〜第45番札所 天氣:・・・もはや形容詞が出ない、いつもの晴れ

午前5時57分、宿を出発。いつしか、朝の出発時間が分単位で細かくなっていた。

さて、今日はあと43km進めばたどり着く。とっとと行ってしまおう。
でも、 43kmなんてそれでもフルマラソン以上の距離だというのに。
すでに距離感覚がマヒしているため、考え方も単純になってしまうものだ。

昨日も地図で確認したのだが、内子町(うちこちょう)から途中で県道379号線に移り、
県道380号線から久万高原町(くまんこうげんちょう)へと進んでいく。

しかし、そのうちマヒした感覚も戻ってくるもの。
1時間たち2時間たっても、一向につく氣配がない。

すでに何度か経験していることなのに、いや、
すでに何度か経験しているからなのだろうか。

出発してから3時間を経過してきた頃から、
(マジでいい加減にしろ)という感覚が身体の底から湧き上がってくる。

『すべてのことに感謝しなさい』なんて言われるが、
そんな口にするほど簡単ぢゃあない。

こっちは何も悟ちゃあいないんだ。というか、必死で余裕がない。

『ウォ〜!!』・・・やっぱり今日もブチ切れちゃうのね。

しかし、何度も切れてるだけでは何の進歩もない。
おかげで1つ氣づいたことがある。今でもとても良い言葉だと自負している。それは、

10km進みたければ、まずは目の前の1km進め。
1km進むのがムリなら、まずは目の前の100mを進め。

ってことだ。それ以来切れそうになったら(いや、切れた後で冷静になった後で)
ブツブツ呪文を唱えるようにすると氣持ちもしずまってくる。

午前10時半、第44番札所大宝寺(だいほうじ)に到着。
しかし、到着したことがわかると、なぜか逆に怒りが盛り上がってくる。

『何なんだよ、チクショー』『まったく遠いんだよ、バカヤロー』

すれ違う人にあいさつしながらも、聞こえないように
やり場のない怒りをブツブツつぶやいている。

まったく感謝のかけらもなかった。さすがに出発するときには頭も冷えて
山門に最後の礼をするときに(どうもスミマセンでした)と謝っておいたけど。

終わってしまえばすべて『ノーサイド』ってことか。ラグビーはよく知らないけど。

午前10時50分、大宝寺を後にする。次の目的地までの距離は10km弱だ。

そういえば、次の第45番札所岩屋寺(いわやじ)までに
事前に南部さんからアドバイスをもらっていたんだっけ。

ここはぐるっと1周するように周って戻ってくるため、
自転車を降りて山道を歩いたほうが、良い経験になるとのこと。

午前11時50分。県道12号線の途中(写真右)から徒歩で山道に入る。
自転車を盗まれたくはないので、人目につかないように隠しておく。

出発してから10分経過。おもったより楽チンぢゃあないか。

そう想った矢先、しだいに道が険しくなっていく。

歩き始めてから約30分経過。なぜか民家がある。
しかも黄色のハンカチが無数に干されている。

もしかしてあの人を待っているのか・・・?

そして再び山道に入る。
しかし、山の中は余り人が足を踏み入れないせいだろうか、
図鑑でも目にしたことにないような生物がいる。しかもやけにデカい。

道中、おもわず踏んづけそうになった、青いミミズを発見した。
しかもやけに長くて青光りしている!何らかの突然変異か?
しかし、目をそむけてはいけない、これは現実なのだ。

半ばごろに差しかかったあたりであろうか、
いきなりこんな案内表示が目に入る。
・・・しかし、今さら言われても困るんだがなぁ・・・
こういうことは山道に入る前に、あらかじめ教えてほしかったとおもった。

険しいのぼり道が続く。しかも、舗装されていないで荒れ放題だ。

10km進みたければ、まずは目の前の1km進め。
1km進むのがムリなら、まずは目の前の100mを進め。

なんて、エラそうに言っても100mでも山ののぼり道では1kmぐらいに感じる。

『何なんだよ、この道は』もはや人が聞いていようが、
そんなの関係ないぐらいの大声で私は口に出していた。
まぁ、周りには誰もいないんだけど。

『ちっとも整備されていないぢゃあないか』
『まったくサービス業としてなっちゃいねぇんだよ』

よくもまぁ、次から次へと悪態は尽きないものだ。
『同行二人』(※どうぎょうじじん:お遍路の旅は自分一人だけではなく、
弘法大師も一緒にいてくれるという考え)とはいえ、
私が弘法大師なら、こんなお遍路さん、間違いなく愛想を尽かしている。

もう1つ、私が忘れていたことがある。この山道を教えてくれた南部さんは筋金入りの修験者(しゅげんしゃ)だった。
彼にとって『良いこと』というのは、基本的にキッツいことに決まってるぢゃあないか。

しかし、後戻りはもうできない。

始めちまった以上、途中で引き返してたまるか。
こっちにも意地がある。私も、相当のガンコ者だ。

そして、1時間経過。遠くで『ゴ〜ン』と鐘を突く音が聞こえてきた。もうすぐだ。

13時10分。ここが第45番札所岩屋寺(いわやじ)の裏の入り口だ。
やっと着いたか。

出発してから1時間20分。休むことなくずっと歩き続けたけど、
これならちょっと休んでも全然よかったな。ともおもった。

本堂、大師堂とお参りを済ませて、ふとベンチで一息ついて右を向いたら
唖然とした。

『岩屋寺』とはよくいったもので、建物が岩に入り込んでいる。
というか、岩山がこの寺院を守るように囲い込んでいるといったほうが正確か。

デジカメを向けたが、岩山の圧倒する感じを全面的に出したくて
こんなアングルになった。本当は岩のてっぺんはこれよりずっと上だ。

13時半、岩屋寺を後にする。山道とはいえ、いったん距離感がつかめば、
帰りはずっと楽になる。15時前には元の自転車を置いてきたところに戻ってきた。

確かにとても良い体験になった。
でも決して他人には勧められないなともおもった。

幸い、晴れてて、日が暮れる前に戻ってこれたが、
これで雨が降ってたり、ましてや夜はキケンだからね。

(第16日目に続く)